金閣寺NY 3

 
 
溝口に受け取れよって促した鶴川
迷惑そうに受け取って迷惑そうにぶら下げて持ち歩いた溝口
きちんと胸の位置に持った鶴川
そして受け取らなかった柏木
 
 

 
幼児から父は・・・で始まる金閣寺ニューヨーク公演も明日が最後
 
日々進化するニューヨーク公演、素人目にもわかるくらいに毎日変化し熱演っぷりも加速するばかり・・・
  
それってもしかしたら亜門さまが描きたい金閣寺にはまだ達していないのかもしれないってこと
 
金閣寺に向かってこの僕を導いてくれ!と哀願するも、おちょくってるのか?と口にしてしまう溝口の期待はずれな第一印象。金閣寺を見詰めながら首をかしげるが、昨日ほどはかしげてなくて、そして笑いも少ない。客席の反応が毎日違うって面白い
 
君って変わってるなって言ってみたり、でも吃りをからかわない鶴川
 
そんな鶴川とのラブラブなシーンは大好きだけど、鶴川が亡くなった時の悲しみにくれた時の溝口の『僕には必要だった』にはさらに感情が込もって来て泣かされる
 

白つめくさの木漏れ日のシーンの甘酸っぱいニュアンスとかって、字幕でどこまで伝わってるんだろ
 
へっぴり腰じゃ米兵を倒せんぞ〜の剣道の練習のシーンはいつもほっこりなるけど、椅子にぶつかり転げるシーンは怪我しないかといつも心配し、安心する
 

慌ててタバコの煙を消すシーンは必ず客席に笑いが起きる。【KAAT】では一切なかった笑い
 
はて 絶景かな
での笑いは今日は少なかった
 
1幕ラストの拍手は毎回あります。今日はラストのフライング拍手もなくラストの『生きよう』がシーンと張り詰めた空気の中響きました
 
客席のニューヨーカーの一人一人の胸に響いた『生きよう』市川雷蔵溝口は列車から飛び降りた
 
観劇の余韻の中、客席から離れて歩きはじめるインテリジェントたち。毎年楽しみにしてるリンカーンフェスティバルのファンの方々が大きな声で感想を語り合いながら歩きはじめる。夫婦だったり、カップルだったり、同行の相方と熱弁をはじめている
 
リンカーンフェスティバルに来て、金閣寺の字幕を追いながら観た貴重な感想を聞き取れないもどかしさったらない。あんなに大きな声で話してるのに。
 
そして
 
金閣寺が燃えたり
照明で道を作ったり
そんな亜門さまの作品が前列では全く味わうことが出来ないなんてもったいない!!!
 
前列では字幕も読み難い高い位置にあり
 
亜門さまスタッフさまの、もどかしい思いを思うと、日本から来た溝口ファンは切なくなります
 
あ。だから日本人を前に座らせたのかな。6月にチケット取ったのに1桁列は不思議で仕方なかった
 
 
明日の最終日。このまま大成功に終わりますように。固唾をのんで見守って参ります